独特な表情が漂うカバーオールタイプのレザージャケット

「ニチワさんはこれからの時期長期閑散期だからコロナウイルスの影響はないでしょ?」

つい先日この様な質問がありました。

いえいえ大ありなんです。
レザーシーズンは冬場がピークなので、これからの時期は革ジャンが動かないのは確かですが、問題なのは来期新作商品に企画や生産の問題。

コロナの影響でニチワレリュームのメイン拠点でもある、革の生産地イタリア、縫製工場の韓国と、どちらも物流や材料の手配が例年に比べて遅れが出ています。

ただ先日ブログでも書きましたが、既に革の手配は進行しおり、今のところ予定通りで進めそうですが、今後の事を考えると何とか早く収束する事を願っています。

そんななか、こちらも以前に「革ジャンはどの国の製品がいいのか はたして工場は?」というブログタイトルで、ニチワレリュームが扱う縫製工場を紹介しましたが、今回その中から縫製クオリティが一番高いA工場よりサンプルが届いてきました。

写真のカバーオールタイプのレザージャケットもサンプルの一着。

既にここ数年定番人気になりつつあるデンバーという名のラムスキンを使用したタイプ。

きれい目のヌバックスキンにわざと洗いと熱処理を掛けたワイルドな加工に、身頃裏に取り外し可能なニットを付けることで、やんちゃイメージの表情ながらも大人の雰囲気を併せ持つ高級感あるレザージャケットに仕上がっています。

さてそんなサンプルですが、既に製品化は決定しており、現在細かな仕様変更を検討中。
サイズ感から細かなディテールまで煮詰めていますが、ここで意見が分かれているのが革の熱処理でできる表情をどうするかについて。

写真で見て、表面の黒ぽいの部分がお分かり頂けますでしょうか。

これ初めに言いますが、けして不良革ではないんです。これは熱処理によって起こる表情なのですが、自然素材ゆえに、場所によってこの雰囲気が強く出る個所と抑え目に現れる場所が存在してしまうので、見る人によっては汚れと勘違いしてしまう表情でもあります。

実際このビンテージ風の表情を喜んでくださるお客様もいらっしゃれば、反対に「黒い汚れが付いている」とお叱りの連絡を頂く場合もございます。

この様な革を使った場合、カタログにもネットにも「熱処理によるワイルドな表情」といった説明を付け加えたり、事務所や店舗販売では実際にご説明が出来るのでお叱りをいただく比率はとても少ないのですが、通信販売の場合、汚れや革不良と思われるご意見が少なからず連絡が入ります。

ただし、少数意見とはいえこれも貴重なご意見です。
そのため、「この表情だからこその雰囲気だからこのままに」「いやいや汚れっぽく思われるなら熱処理は中止した方が」「前身頃など目立つ部分は黒の目立つ革の使用を控えては」と、スタッフ間でもここ数日様々な意見が飛び交っている状況です。

何れにしてもいい仕上がりを目指していますので、どの様な結論になったかは、秋の販売までお待ちください。

個人的には、この黒っぽいダメージ感とポケットタブの断ち切り仕様など、とてもカッコイイ雰囲気なので、このままがいいのですが、はたしてどうなるか…

今回紹介したレザージャケットの他には、同じデンバースキンのコートサンプルも出来上がってきましたが、面白いアイデアで誕生した個性的コートですので、こちらも注目です。

コロナウイルスの影響で大変な状況ですが、今回の様に早めに進行して、なんとか無事秋シーズンに向けて準備していきますので、是非、応援して下さい。

4月は百貨店や様々な店舗の休業があり、私達もそうですが東京、横浜、名古屋、大阪、千葉でのレザー店開催で応援してくれるスタッフの状況も心配です。
なかなか連絡が取れていませんが、身体も仕事も生活も、何とか皆で載りきっていきたいものです。

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