レザーショップ「ニチワ」時代から人気のラム革、ジャングルスキン。
これまでグレー、ネービー、ボルドーなどの色目を使って、ライダースタイプからテーラードタイプまでのレザージャケットはもちろん、ダウンやコートといった防寒系レザーまで、様々なアイテムを展開してきました。
この革は、表面を擦ることで動物本来の生体シワである「シボ」を活かして、独特の濃淡を表すのが大きな特徴。そのため、通常の表革と違うケア方法が必要となります。
実は先日、お客様から「ジャングルスキンのレザージャケットにクリームを塗ったら、上手く伸びてくれないんですけどクリームは不要ですか?」とのご質問をいただきました。
結論から申し上げますと、クリームの使用はシミになる可能性があります。
ジャングルスキン自体は表面を擦る独特の製法ですので、基本スエードなど起毛革と同じ扱いとなりますので、クリームなどの使用はNG。
ですからケア方法の推奨は、汚れ防止に効果的な防水スプレーと、どうしてもカサつきが気になるという場合は、スプレータイプのオイルをオススメしています。
オイルスプレーは、屋外でレザージャケット全体に吹き付けた後、乾いた布で軽く擦り込むように乾拭きしてあげれば、表面はカサついている様に見えても中は十分栄養が行き渡ります。
そもそも、この製品自体が特徴からして汚れが目立ちにくいタイプですし、極端に言えば汚して味わいを出すタイプのレザージャケットでもあります。
光沢のある表革の様に、定期的なオイルケアによって状態を保つスタイルもあれば、着古すことで味わいを出すタイプなど、レザージャケットにも様々な革の種類が存在します。
ジャングルレザーは後者タイプの革であり、特徴としては着込むことでヴィンテージ感を強め、また紫外線による経年変色も表れてきます。
この様に経年による表情変化は、どの様な革でも付き物ではありますが、だからこそ、その変化を楽しむタイプとして開発されていますので、むしろ汚れとか気にせず、どんどん着込んで、オンリーワンのレザージャケットに作りこんでみては如何でしょう。
実はジャングルレザー、その特徴からタンナーの仲間内では、手抜きの出来るレザージャケットとも呼ばれています。
もちろん、けして革の鞣し工程で手を抜いている訳ではありません。
汚れが目立ちにくいゆえ、定期的なオイルケアを必要としないタイプなので、手抜きをしても大丈夫という意味です。
ケアも楽で、表情変化も楽しいジャングルスキンアイテム。
今年もレザージャケットからダウン&コートまで、様々なスタイルが登場予定です。