今日は先日ライター村田さんも記事にされた、ニチワレリュームスタッフNUNOが革ジャンを水洗いした時のお話し。
写真は今季新作の革ジャン「1110057 ラムシンプルダブル」
肩章使いや飾りファスナーにパッチポケットといったアクセサリー使いのライダースも魅力的ですが、今季新作は、見てのとおりそれらを極力省いたシンプル仕上げの一着。
お客様からシンプルなライダースを求む要望が多かったこと、そして私達スタッフも、せっかくのラムスキンだし街着コーデに使いやすくしたいと思っていたので、この様なシンプル仕様で商品化しました。
でも、飾りは要らないけどもう少しアクセントが欲しいなと思ったら、思い切って水洗いしてカスタマイズなんてのも如何でしょう。
実はニチワレリュームスタッフのNUNOもそんな考えの持ち主。
前からダブルライダースが欲しいと思っていた彼は、この秋に自らこのライダースを購入したのですが、彼は購入後すぐに水洗いをしたのです。
彼の考えは「ラム表革特有の艶感を抑えたい」更に、「水洗いによる程よいシワ感にすることで、こなれ感のある街着ライダースにしてみたかったから」とのこと。
彼のやり方は、まず大き目のバケツに水を入れ、その中に革ジャンをそのまま突っ込んで10分前後もみ洗い。その後洗濯機に入れて脱水機に。
脱水後は、ハンガーに吊るして陰干しして一丁上がり。
そして仕上がったのが、村田さんの記事にも載ったこの写真。
どうですか?
「写真が小さくて分からん」なんてことはお許しいただいて、なかなか雰囲気のいいライダースジャケットに見えますでしょう。
この商品、フロントスナップは飾りとして企画したので、身頃にオス側のスナップを取り付けてないですが、彼はこのスナップも会社にある在庫のスナップに変更し、オス側も取り付けて衿を留められる様にカスタマイズも行ないました。
スナップをやや内側に配置して衿が浮き上がったような立体感を作ることで、洗い加工と相まってシャープな印象のライダースジャケットに仕上がっています。
ただでさえ無骨に見えるダブルライダースですから、とても効果的なカスタマイズです。
「ニチワさん革は洗っちゃいけないって言ってたじゃん。」
確かにそのとおりで、革ジャンの水洗いはおすすめしませんとご説明をしておりますし、ライター村田さんも「真似しないでね」と書かれていました。
じゃあどうして洗うのNGとお伝えしているのか。
それは自然素材の特徴ゆえ、表情変化が常に同じようにならないからです。
私達が革ジャンの水洗いをおすすめしても、お客様の好みは様々。
ご自身の希望とおりの変化になればいいのですが、希望とおりにならなかった場合は、もとに戻すことが難しく、取り返しがつかなくなる場合もあります。
お客様は新品のイメージを基準として購入検討されますから、私共から水洗いを強くすすめることは出来ません。
また、水洗いにより革の強度が落ちる可能性も少なからず起こる場合がございます。
でも考えても見てください。
もとは動物です。生きている時は雨にも打たれるし、水の中に入る場合もあります。
そうなんです、決して水がダメという訳ではないんです。
肝心なのは水を含んだあとの革ジャンを、何もせずにそのまま放置してしまうのがNGなんです。
雨水には少なからず汚れが含まれています。
雨に濡れて輪ジミが出来た革ジャンをそのまま放置しておくと、革ジャンに汚れが根付いてしまいます。また、水分を十分に取り切らないと、カビが浮き出てくる場合があります。
それらをきちんとオイルなどでケアしてあげれば、基本的には水に濡れても問題はないのです。
もちろんオイルケアの出来ない革、例えばヌバックやスエードなどの起毛や、ナチュラル系など水に弱い革も存在します。
ちなみにスタッフNUNOは、シミになるので、基本オイルNGのベジタブルスキンの革ジャンにも、固形タイプのオイルをガンガンに塗っています。しかもキャメルの革ジャンに。
ベジタブルスキンはタンニン剤を使って自然の風合いを活かした革ですので、写真の様なノーマルの表革に比べたらシミになりやすい素材です。
ブラックカラーのベジタブルならまだしも、キャメルカラーなら尚更です。
野球グローブのポケットにオイルを塗ると、その部分だけ汚れと油による染みで真っ黒になりますよね。それをご想像頂ければお分かり頂けるかと思います。
NUNOのキャメル革ジャンも同じように黒ずんだシミだらけになっています。
でもそんな革ジャンでも、日が経つに連れてとても雰囲気のいい革ジャンに仕上がります。
野球グローブの話しをしましたが、新品のグローブより使い込んだグローブの方がいかにも上手い人に見えるように、革ジャンも水洗いやオイルケアでカスタマイズすることで、カッコイイ革ジャンに見えてくるのです。
とはいえ、新品をいきなり水洗いというのは勇気がいるかと思います。
ですので、最初は新品の雰囲気を楽しんで、ある程度汚れてきたら水洗いやオイルケアでのカスタマイズをしてみては如何でしょう。
「水洗いはできてもスナップは持ってないよ」なんて思ったら、是非ニチワレリュームにご連絡下さい。
ニチワレリュームの製品でしたら、袖口のスナップをもう一つ付けたい、飾りでスナップを付けてほしい、そんなご要望も可能な限りご相談に乗ります。
もちろん在庫のあるスナップで、カスタマイズ可能ならのお話しですが、自社で企画生産を管理しているからこそ出来る強みでもあります。
水洗いのカスタマイズ如何でしょうか。
実は私も、まだ一度も着ていない今季モデルの革ジャンが一着クローゼットにあるのですが、NUNOに倣って、いきなり洗ってみようかと思っています。
いい仕上がりになりましたら、また当ブログにてご紹介しますね。