4月も中旬になり、革ジャンやレザージャケットをクローゼットの奥へ収納するこの季節。
その前にクリーニングに出そうとお考えの方も多いかと思います。
以前も当ブログで革のクリーニングについて何度か書きましたが、今回は再度革のクリーニングについて考えてみましょう。
まず前提としてですが、クリーニングをするという行為は汚れを落とす一方で、素材のダメージを与える行為でもあるわけです。
ですので結論から申し上げれば、革の特性上、クリーニング自体は避けることが好ましいといえます。
理由としましては、革製品は有機溶剤には弱くドライクリーニングを施すなど、有機溶剤に晒すと品質が劣化する場合があります。
また、革に使用されている加脂剤の脱脂も起こり、その段階で染料までが一部溶出して、色変化、風合いの変化などを引き起こしてしまいます。
現在の段階では革製品のクリーニングに必要な条件をすべて満たす理想的な溶剤というものは存在せず、クリーニング行程の綿密な管理とクリーニング後の適切な処理が依然として重要になります。
ですので革ジャンやレザージャケット等を購入後したら、なるべくご自身で手入れをする事をおすすめします。
ただ、日本のクリーニングの技術は世界でもトップクラスにあり、経験豊富なクリーニング工場などは、革製品に対しても日々新しい技術の開発がおこなわれております。
クリーニングに出す場合はこれらの問題をよく理解したうえで利用したいものです。
その為には、お預けする時にきちんとした説明が出来るお店を選んでいただければと思っております。
先にも申し上げましたが、レザークリーニングは、必ず風合いや色合い変化、また時としてサイズの収縮なども発生します。
クリーニングをしたレザーは、多少の汚れは取れても、当然ですが新品の状態にまで復活する事は絶対にありえません。
ところがお預けするお客様の中には、布帛に比べて革はクリーニング代が高い理由から、新品に近い状態で戻ってくると思われる方も多くいらっしゃいます。
そんな思いで戻った来た革ジャンやレザージャケットが、きちんとしたクリーニング工程を経たにも関わらず、風合い変化していたらどう思われるでしょう。
実はクリーニング屋さんへの革のクレームで、一番多いのが仕上がり具合による見解の相違です。
街中の大半のクリーニング屋さんは、ご自身の店では革のクリーニングは行わずに、専門の業者に外注を出すことが殆どです。
そのため、革の知識がないパートやアルバイトスタッフ方にクリーニングを依頼した場合、お預け時にきちんとした説明をされないケースもあり、また外注に回しますので、当然料金も高くなります。
それでは革ジャンのクリーニングはどこに出せばいいのか?
ニチワレリュームでは、旧ニチワ時代から、革のクリーニングは「東京ホールセール」さんをお勧めしております。
以前は、ニチワの東京レザー店舗にスタッフの方にお越しいただき、店頭にてクリーニングのご説明や受付をして下さったり、私達も実際に工場見学をさせて頂いたことも数回ございました。
「東京ホールセール」さんは、某大手クリーニング屋さんの外注も受け付けているレザークリーニングの老舗で、「逸品工房」という直営のクリーニング店も運営されており、全国から郵送でのクリーニングも受け付けしておられます。
もし革ジャンのクリーニングをお考えでしたら、「逸品工房」さんにご相談してみては如何でしょう。
もちろん街のクリーニングさんでも、きちんと説明してくれるスタッフがいるお店なら問題ないでしょう。
今回は革のクリーニングについて書いてみました。