本革と合皮の違い

ニチワレリュームでは生産地やなめしにこだわった本革のみを使用し、
見た目はもちろん、肌触りの良い製品を作っています。
人工素材を使用した「合皮」と呼ばれる合成皮革は使用していません。
今回は、本革と合皮の何がどう違うのかということを、改めてご説明します。

 

  • 合皮とは

合皮とは、本物の革に似せて作られた人工素材のこと。布地に合成樹脂を塗布したものです。本革製品と比べて、合皮は大量生産が出来るため安価で気軽に手に入ります。

また、樹脂加工をしているので水分に強いのも特徴の一つ。デリケートな本革製品と比べると、比較的お手入れが簡単です。

 

  • 本革と合皮の違い

・見た目の違い

本革製品と合皮製品の違いの一つとして、目に見えて分かるものは動物の皮にもともとあった“毛穴”。本革製品には、毛穴のブツブツがあります。 あまり目立たなくても、本革に光を当てると小さな穴が無数に開いているのが分かります。

一方合皮製品には凹凸やシワなどの加工はしてあっても、 毛穴のある合皮はあまりありません。あったとしても穴が浅くできています。

また、最近は合皮の質も上がっているので少なくなっていますが、「シボ」と呼ばれる皮の凹凸にも違いが見られます。“肌のキメ”である凹凸をより自然に再現出来ている合皮も多くなっていますが、ウロコを張り付けたような不自然な凹凸加工をしている合皮もあります。

 

・肌触りの違い

本革と合皮では、着心地・肌触りにも大きな違いがあります。
本革は、繊維などが反応して吸放湿を行うため吸湿性にすぐれ、長時間着用していても適度に湿気を逃がしてくれますが、合皮は吸湿性が悪く、じっとりと汗ばんできます。

 

・経年変化と経年劣化

本革製品の場合、使えば使うほど柔らかくなって身体に馴染み、 さらに独特の色合いの変化で見た目に深みが出てきます。このような“変化”は見られても、外からの大きな衝撃などがなく、またお手入れをきちんとしている限り、年月を重ねただけで“劣化”することはありません。

一方、合皮製品の場合、2~3年もしないうちにひび割れ、破れなどが目立ってきます。これは、合皮の人工素材に使われた合成樹脂が外気に触れることで分解されるため。
そのため合皮は、本革のように「長く使って楽しむ」ということはできません。

こういった“使い心地”が、革好きにとっては最も大きな違いかもしれません。

 

・その他の違い

合皮は表面をコーティングしているため、引っ掻いても傷が残りません。
となると、「本革は傷付きやすいの?」を思ってしまうかもしれませんが、小さな引っ掻き跡傷程度であれば時間の経過とともに直っていきます。また、多少の傷であれば経年変化として、むしろ深みを増してくれます。

また、鞄の取手部分など革の断面を見ると、本革製品は毛羽立っていますが、合皮はコーティングされているためツルンとしています。
こういった部分でも、本革と合皮の違いを見つけることが出来ます。

本革と合皮、2つの素材の違いについて紹介しました。合皮の良いところは安価で気軽に手に入り、お手入れに手間もかからないことですが、丈夫さや着心地・使い心地の面では本革にはかないません。

使うほどに馴染んだり、色味などで味が出たりするのも、合皮にはない本革の大きな魅力です。

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